【もっと知りたい中国】ECモール編

兰庭Channel 兰庭Channel 2021-09-15

　急速に進化する中国のECモール。今回は中国人がよく利用しているECモール８つを選出し、その特徴やおすすめのポイントをみていきたいと思います。お買い物の際にぜひご参考にしてください。

7億4000万人以上が利用する

「淘宝网（淘宝網‐タオバオ）｣

　「見つからない宝物はない、売れない宝物はない」という意味でつけられた「淘宝」は、アリババグループが運営する中国最大のECモール。2003年5月に設立され、2020年には月間アクティブユーザー数が7億4,000万人に達している。個人商店が主なショッピングモール型サイトで、気軽に安く買えるのが特徴。購入履歴や検索履歴により画面がカスタマイズされるので使い勝手もよい。カスタマーサポートも充実しており、購入後だけでなく購入前に店舗と連絡を取り、商品について問い合わせや相談が可能。出店する際の審査のハードルが低いため、偽物が紛れている可能性もあるが、店舗の信頼度は、利用者の評価によって分けられたランクで確認できる。ハート→ダイヤ→銀王冠→金王冠の順にランクが上がっていく。ランクが高いほど信頼できる店舗だ。

クオリティーや安心感を求める方に

おすすめ「天猫（T-MALL）」

　淘宝と同じくアリババグループが展開するECモール。もともとは「淘宝商場」という名前で淘宝の一部として運営されていたが、2012年に「天猫」に改名し、独立する形で新しく運営を開始。各企業にマーケットプレイスを提供し、出店者から出店料を徴収するビジネススタイルだ。淘宝との違いは、法人であることなど出店基準が厳しく設けられている点。出品の際にも審査を行い、商品の品質と信頼性を確保している。その分、淘宝より全体に値段は高め。値段よりもクオリティーや安心感を求める方には「天猫」がおすすめ。

　ちなみに「天猫国际（天猫国際‐Tmall Global）」は2013年に開設された越境EC専用のプラットフォームで、日本企業では、マツモトキヨシ、花王、@コスメなどが出店している。気軽に海外の輸入製品を購入することが可能だが、利用は中国大陸の身分証明書で登録した支付宝ユーザーに限られる。

中国ECマーケットシェア

第2位を誇る

「京东商城（京東商城‐JD）」

　京東集団により、1998年6月18日に設立された。現在では、中国ECマーケットシェア第2位を誇る。自社で仕入れた商品を販売する直販型のビジネスタイルで、日本でいうAmazonのような大型のセレクトショップである。コスメ、日用品、食品から家具にいたるまで膨大な商品を取り揃えている。家電系のECモールとしてスタートしたこともあり、デジタル家電に強いECサイトとして広く認知されており、家電の売り上げが50％以上を占める。物流業務を担当する京東物流は「211限時達（午前11時までに注文した商品は、その日に配送）」「当日逹（購買当日に配達）」、「次日逹（翌日に配達）」、「隔日逹（翌々日に配達）」、「急速逹（2時間内に配達）」、「京準逹（指定の時間帯に配達）」などのサービスを提供しており、急ぎで商品を手に入れたい時などに便利。購入後の返品・交換・アフターサポートがしっかりしているため消費者からの高い信頼度を得ている。

1時間以内に手に入る

「京东到家（京東到家）」

　华润万家(華潤万家‐バンガード)，沃尔玛（沃爾瑪‐ウォルマート）など10万以上のオフラインの実店舗と提携しており、エリア内であれば生鮮食品・日用百貨・薬など店舗で販売されている商品をすぐに指定の住所まで配達してくれる。京東傘下で2014年に開始された市内即配サービス「达达（達達-Dada）」と2016年に京東集団から切り出された宅配部門の「京東到家」が合併し、「達達-京東到家」が誕生した。O2Oプラットフォームでは「京東到家」のブランドが使用されている。「京東到家」は現在、天津、北京、上海、広州等40の主要都市をカバーしている。1時間以内に受けとることができるため、調味料の買い忘れや急な発熱時などに便利。

中国オンライン書籍販売最大手

「当当网（当当網）」

　「当当」は中国オンライン書籍販売最大手。1999年11月設立。オープン当初は書籍のみを販売するオンライン書店だったが、家電や食品、生活雑貨、家電、化粧品といった多岐に渡る商品を扱うようになり、中国版Amazonとも言われている。タオバオのような一般の出品者はおらず、メーカー独立型のショップである。「当当」で取り扱われている書籍・音楽・映像の販売品目数は30万点以上となり、中国国内500以上の出版会社と販売契約を結んでいる。中国語書籍や語学教材を購入する場合におすすめ。

電化製品を安く安心して

購入したい方におすすめ

「苏宁易购（蘇寧易購）」

　1990年南京でエアコン販売店として開業後、店舗型の家電量販店として売り上げを伸ばしてきた「蘇寧電器」が運営するECサイト「蘇寧易購」は、2010年2月に正式にスタート。店舗とECサイトをコラボさせた販売手法で市場シェアを拡大させてきた。「蘇寧易購」は中国全土に展開されている実店舗のおかげで、どの地域であっても比較的早く商品が届くことから、地方に住む人々も利用しやすい。顧客は実店舗で商品を実際に自分の目で確認をし、ECサイトで購入することやECサイトで注文したものを実店舗で受け取ることが可能。巨大企業の特徴を生かし、一度に大量の商品を仕入れることで商品価格を安く設定しているため、電化製品を安く安心して購入したい方におすすめ。

ブランド品などを安心して

購入したい方におすすめ

「唯品会（唯品会‐VIP.com）」

　2008年にサービスが開始されたファッション・化粧品などを中心にしたショッピングサイト。海外のメーカーから直接取り寄せを行う「唯品会」のサイトは、本物を利用したい中国人に絶大な人気がある。様々な商品を総合的に扱うのではなく、アクセサリーや香水、革製品などアパレルに特化して販売することで中国女性の心をつかみ、女性会員を中心に順調に会員数を伸ばしている。ECサイトでは、テキストの使用をできるだけ少なくし、写真を多く掲載するなどデザインにこだわりが見られる。拡大写真も表示されるため、実物をみないと不安が残る洋服も購入しやすい。商品は100％本物であることが保証されており、購入後に万が一、偽物だと判明した時には、全額を返金するアフターサポートもある。また、期間限定で商品を激安で売りだす「フラッシュセール（期間限定で割引価格などの特典がついた商品を販売する）」サイトとしても人気である。

生活必需品の安さはピカイチ

「拼多多（拼多多‐Pinduoduo）」

　近年、中国国内で急速にシェアを伸ばしてきている「拼多多」。複数人でシェア購入するというスタイルが大きな特徴だ。2015年に設立され、わずか数年で1億人を超えるユーザーを獲得。上海に拠点を置く「拼多多」は主なターゲットを低所得者としているため、商品の安さが何よりのウリ。工場から直送で商品を発送する仕組みを構築したことで卸売業者を介する必要がなく、販売価格を最低限まで下げることができるからだ。できるだけ安く商品を購入したい方におすすめ。※「拼多多」の詳しい説明は、過去の記事で紹介していますので、そちらもぜひご覧ください。

　現在、上記であげたECモールでは「双11（ダブルイレブン）」と並ぶビッグセールイベント「618（京東が創立記念日にちなみ始めたセールイベント）」が開催中です。いろんなECモールで商品を見比べながら、お得にお買い物を楽しんでください。

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